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川越氷川神社境内に 美しいカフェがお目見え

むすびcafé(埼玉県川越市)

vol.481 川越氷川神社境内に 美しいカフェがお目見え

 縁結びの神として知られる川越氷川神社の境内に、今秋、「むすびcafé」がオープンした。神社にカフェというと意外に思う人が多いかもしれないが、神様と人を結び、人と人を結ぶ場である神社が、新たなモノやコトを産む場として地域社会に浸透していければ、と願う宮司の長年の思いがかたちになったものだ。

「むすびの語源は、日本神話に登場する神様の名前『ムスヒ=産霊』で、「ものを生み出す目に見えない力」を意味します。何かと何かがくっつく状態を指すのではなくて、それによって新たなものが生まれる力こそが『むすび』なんですよ」と山田禎久宮司。

「むすびcafé」では、旬の果物をふんだんに使ったスイーツや県産の野菜を活かしたランチメニューが好評だが、いちばんの特色といえば、その料理に、神職が毎朝神前に供える米や塩、酒などが使われていること。カフェで食事をする人、お菓子を購入した人、そのお菓子を贈られた人は皆、神様の力がこもった食物(自然の恵み)を共にいただく「直会(なおらい)」を体験していることになる。

 それこそが「いただきます」の心であり、そうした日本の伝統文化、作法、言葉の由来などを食べ物や贈り物といった「かたち」にして紹介していこう、というのもコンセプトの一つだ。

 グラフィックデザインは山口信博さん、空間デザインは小泉誠さん。凛とした和の風情漂う店内では、年中行事や人生儀礼につながる結びや折形などのワークショップも行われる予定。(文/長町美和子)

 写真:大友洋祐

むすびcafé
□埼玉県川越市宮下町2-11氷川会館1F
□Tel. 049-226-1260
 席数40席、畳席もある。
□10:00~18:00