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路面店オープンで身近になった メイドインジャパンの伝統工芸品

YO no BI love it.(東京都目黒区)

vol.512 路面店オープンで身近になった  メイドインジャパンの伝統工芸品

 2003年から全国の伝統工芸とモダンデザインを組み合わせ、オリジナル商品を生み出してきた「YO no BI」。これまで海外を含めた展示会やウェブサイトを中心に活動してきたが、今年6月、JR目黒駅から徒歩7分の山手通り沿いに路面店をオープンした。明るい店内には、大館曲げわっぱ、秋田の樺細工、山形や高岡の鋳物、金沢箔、越前漆器、江戸小紋など、15カ所以上の産地とのコラボレーションで生まれたオリジナル商品と、各地から集められたセレクト商品が並ぶ。

 プロデューサーの渡邉真典さんは、かつてインテリア雑誌の編集長を務めていた人物。90年代から00年代初頭、和の工芸品の特集を組んだとき、その反響に驚くとともに、苦しい産地の現状も肌で感じた。デザインも0か100かの冒険を楽しみたい。和のテイストを取り入れる意味で、生活空間全体をデザインできる橋本夕紀夫、文田昭仁らに声をかけ、「YO no BI」を立ち上げた。現在でもこの2人のデザインが多くを占める。

 商品開発には型代など初期投資が必要だ。製品化までに時間もかかる。現在、好評の商品は鋳物のティーポットで、とりわけ中国や欧米で人気沸騰中だ。しかし思うように供給できない状況が続いている。売れない時代が長く、高年齢化で設備投資ができない、納期が遅れがちになるなど悩みは尽きない。この店舗に、情報収集の窓口機能を期待する渡邉さん。小さく地道な活動が世界へとつながる、その道筋を実感することができる。 (文/永峰美佳)

YO no BI love it.
□東京都目黒区目黒2-11-9 目黒グリーンランドビル1階3
□Tel. 050-3335-6295
□11:00~19:00
 月曜定休